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最適なマンション管理実現の目指して活動中です! 

初めての民泊差し止め命令(東京地裁)

投稿日:2018年08月15日

東京都港区のマンションで民泊が始まった後に規約を改正して、「不特定の宿泊を禁止」、「第三者に貸す場合は1か月以上」とする条項を追加して争いになった訴訟で、東京地裁は、民泊の差し止めと弁護士費用の支払いを命じる判決を下したことが報じられた。

この事件は、2015年10月に区分所有者が購入した物件で、民泊仲介サイト最大手のairbnbで募集を行い、外国人が滞在中に夜間のバルコニーでの会話やごみの分別ができていないなど苦情が出たことから、管理組合が規約改正して民泊を禁止したもの。その後、管理会社が民泊の中止を申し入れし、当該区分所有者は「既に予約済みの分だけ営業する」と約束をしたにもかかわらず、その後も営業を続けたことから管理組合が提訴し、民泊の差し止めと違約金としての弁護士費用972,000円の支払いが命じられたというもの。

民泊開始が先で、後から規約改正で禁止された民泊の差し止めを命じる初の判決になった。もっともこれより1年半前の大阪地裁での判決(2017年1月)でも、管理組合の主張が認められたが、その時は既に売却後であったため、差し止め命令にはならず、弁護士費用の支払いだけが認められたものであった。その点今回は、現在も続く民泊で、規約改正前から営業していたとの既得権を認めない判決となって、事業者にとって影響が大きいとの見方もあるが、管理組合側として必ずしも手放しでは喜べない。なぜならば、本件は「民泊募集を止める」と事業者が約束した後に、引き続き営業を続けていたことから、裁判所は「今後も民泊行為をする恐れが高く、差し止める必要性がある。」と判断した経緯があること。さらに本件は2015年当時、違法状態で営業していたものであること。この2点に特徴があって今回の結果になったわけだが、もし2018年6月15日の合法化以降に民泊が開始され、その後に規約改正で禁止された場合には、今回の判決と同じ結果になるとは限らないのではないだろうか。むしろ逆に、既得権を制限する規約改正が無効との判決が出てもおかしくないのではないかと危惧する。

民泊を禁止したい管理組合には、民泊禁止の決議と規約改正が必要であり、これは従来と変わることはない。管理業協会の調査では容認する管理組合は0.3%に過ぎず、8割の管理組合では禁止している。とはいえ、民泊禁止の態度を表明していない管理組合が2割程度あることも気にかかる。こうした組合で先に民泊が始められ、後からトラブルになることがないことを期待するばかりだ。

仲介サイトairbnbサイトから違法民泊削除か。

投稿日:2018年06月29日

住宅宿泊事業法施行(6月15日)以来、仲介サイトには「免許番号・登録番号」の記載されるようになり、合法物件か、ヤミ民泊かを識別できるはずでした。ところが、蓋を開けてみると、「免許番号・登録番号」が記載されている物件はごくわずか。その代わりに、記載されていたのが「その他の正当な法的根拠」でしたが、これがでたらめでした。一例をあげると「マンスリーまたはウィークリー契約のため民泊物件ではない」、「マンションオフィス」「時間貸し営業のため」「申請準備中」と言った具合です。極めつけはこれ「我々のホスト体系は賃貸借契約でも宿泊契約でもない新たなおもてなしの類型です。宿泊ゲストと予約前に仲良くなったうえで友達としてゲストを招いているため、不特定の他人に宿泊を提供する「旅館業」および旅館業法の特別法に基づく「住宅宿泊事業」とも異なりますし(中略)既存の法律の枠組みにはまらない新たな類型の契約であるため、旅館業法の許可または住宅宿泊事業への届出が不要と考えています。」これをご覧になってどう思われますか?事業者の自分勝手な主張が記載されていれば、何でもかまわないとばかりに掲載されていました。これが合法民泊を標榜する仲介サイトであるかと思うと、むなしく、悲しい気分になったものです。こうした勝手な根拠の掲載が29日の時点では見られなくなりました。当たり前と言えば当たり前のことが、今ようやくできたところがニュースになってしまうところに今の民泊と仲介サイトの問題があると如実に物語っていえるのではないでしょうか。もっとも、掲載されている番号が実在で真正のものか否かは、わからないという落ちがつくのですが・・・。

地域マネジメント学会主催 公開シンポジウム「民泊を考える」のお知らせ

投稿日:2018年06月17日

住宅宿泊事業法と改正旅館業法が6月15日に施行された現在、巷では民泊合法化に関する報道で溢れています。合法化ということで、概ね前向きなニュースが多いようですが、決してよいことばかりではなく、民泊には負の部分があるのはご承知の通りです。その最たるものは違法民泊、特に集合住宅におけるヤミ民泊の横行です。6月1日に観光庁から仲介サイト代表者に発出された違法物件の掲載中止の通知を受け、業界最大手airbnbは届出のない違法物件を削除する行動に出ました。これだけを見ると、わが国では違法民泊は淘汰され、合法民泊だけでスタートしたと見えます。しかし実際には届出がない違法民泊や、確信犯的に届け出しない違法民泊があります。さらには仲介サイトを介さない水面下で行われるヤミ民泊まで…。こうした厳しい状況の中で、民泊の制度はどのように運営されるべきなのか、また私たちは民泊に関してどのように考えていけばよいのか。考えなければならない課題はたくさんあります。

地域マネジメント学会の公開シンポジウムが、観光庁観光産業課長を招き、「期待される民泊の健全な発展」についての講演の後、パネルディスカッションが開催されます。この中で、現在のヤミ民泊の状況など、管理組合が直面する課題について一緒に考えていきたいと思います。

日時 :2018年6月29日(金)13:40~17:20

場所 :明治大学駿河台校舎 グローバルフロント グローバルホールにて

参加費:1,000円

※参加希望の方は6月22日までに直接事務局までお申し込みください。

2018講演会案内-1(6月29日)2018講演会案内-2(6月29日)

住宅宿泊事業法施行日(2018年6月15日)到来!

投稿日:2018年06月15日

民泊を合法化する制度「住宅宿泊事業法」が本日から施行されます。これまでマンション管理組合における民泊の問題についてはセミナーでも、ウエブサイトでも何度も情報発信してきましたが、いよいよ今日から合法化の本番です。管理組合の多くは、これまで管理規約で民泊禁止を定めるなど良好な居住環境を守るために、対応してきました。

しかし、管理規約を改正しておしまいではありません。6月2日以降airbnbのサイトでは違法物件が削除されています。また違法状態で予約された6月15日以降の予約が取り消しされたと言いますが、実際のところはどうでしょうか。仲介サイトはairbnbだけではありません。観光庁に合法的に申請した仲介サイト以外の得体のしれないサイトが存在したり、掲示板やSNSによる確信犯的な違法民泊も存在します。

こうしたヤミ民泊が横行する状況において、管理組合で民泊を禁止したとしても、違法を承知で民泊を行おうとする不心得者がいて、巧妙化している現実があるのです。

管理組合としては、このような違法物件にも対応する必要があります。もし違法物件を発見したら、保健所へ通報し、違法な行為が行われている情報を連携しながら違法事業者を追い詰め、良好な居住環境を守っていくことが重要です。

 

★民泊合法化は、遊休不動産の有効活用という大きなチャンスであるとともに、ルールを守らない違法な事業に対しては管理組合や居住者で監視を続けていく必要があることを忘れてはならないでしょう。

健康とマンション管理士活動宣言

投稿日:2018年06月14日

今年になって不整脈が原因で入院しました。もの心つくようになって初めての入院。普段、あまり健康に気をかけないまま過ごしてきたツケが回ってきたと反省させられる次第です。6月には2度目の入院して、6日には無事カテーテルアブレーションも終了し、現在は日常生活に戻っています。ご心配おかけしましたが、これが現在の近況です。

マンション管理士活動を初めて8年になりますが、管理組合やその先に区分所有者の方々がいて、管理組合運営での対応について、期待をもって待っていただける限り、これからも活動を続けていまいります。無理はしないで、健康管理は自分自身にしっかり課すことを誓いながら…。今後ともよろしくお願いいたします。

2018年 明けましておめでとうございます。

投稿日:2018年01月01日

2018年、新年あけましておめでとうございます。

2017年はあっという間の1年であったと感じます。たくさんのできごとがあった中で、マンションにとってインパクトが大きかったことは何と言っても民泊でしょう。昨年は住宅宿泊事業法が公布され、今年の6月15日から施行されることになっています。この法律は海外からの訪日旅行者の受け入れを目的に、マンションでも民泊を認めようとする法律です。これまでも「民泊」の功罪については何回も取り上げてきましたが、居住目的の住宅に宿泊目的で旅行者が訪れることから、少なからず、軋轢がやトラブルが想定されます。もちろん新しい法律では管理をしっかりさせる制度にはなると言われますが、この制度によって本当にマンションに居住する人々の不安を取り除けるかは疑問です。それぞれの国や地域ごとに文化も様々です。こうした国々から来た旅行者に、日本式のゴミ収集をしろと言っても、また静かに滞在しろと言っても、さらには、見知らぬ人々の来訪自体が不安という居住者の懸念を解消することは難しいでしょう。特に家主不在型と言われる、旅行者だけを宿泊させるタイプにおいては、トラブルが予想されます。これに対して、管理組合の自衛手段は規約改正しかありません。規約で民泊を禁止することができるのです。しかし逆を言えば、規約で民泊を禁止しない限りは、民泊を制限することはできないということになるのです。これまで管理規約について、管理組合がどのような規約にするかはその区分所有者に任されており、自分たちで決めればよかったのですが、今回は、外部からのいわば「黒船」にどのように対応するのか、自分たちの責任で対応する必要があるのです。国や行政機関に頼ることはできません。先送りもできません。トラブルを防ぎたいならば、自分たちで守るしかないのです。この規約改正ですが、残念ながら、まだまだ行きわたっていないのが実情です。いくら関心が低いといっても、民泊が始められたあとに、「やっぱりやめよう」と言えなくなる可能性が高いことを、多くの方に知ってもらいたいと強く感じています。

今年の干支は戌です。いつしか私も年男を迎えました。住みよいマンション暮らしが実現できるよう、今年もできるところから一つ一つ進めていきたいと考えています。どうぞ本年よろしくお願いいたします。  平成30年元旦  飯田勝啓

改正旅館業法成立!

投稿日:2017年12月08日

12月8日の参議院本会議で改正旅館業法が可決され成立しました。旅館業法は一般の生活の中ではなじみの薄い法律ですが、今や違法民泊を排除し、適正化するうえで、欠かせない法律になっています。皆さんご承知の民泊を規定した「住宅宿泊事業法」は来年6月15日に施行されます。しかしこの法律はあくまでも、民泊事業を届出した事業者のみを対象にしたもので、届出しないいわゆる「ヤミ民泊」取り締るためには、別の法律が必要で、これが旅館業法なのです。今回、この旅館業法を改正することが民泊問題適正化のために重要な役割を果たします。というのも現行の旅館業法は違反があったとしても、罰金の上限がわずかに3万円です。これでは現実にそぐわず、抑止効果が無いと言うのが実態でした。70年前の昭和23年に制定された法律ですから無理もありません。こんな状態を回避するために、民泊など旅館業を無許可で営業した場合、罰金を100万円まで引き上げることで、違法民泊の抑止効果は一気に高まります。民泊の合法化とは切り離せない旅館業法ですが、本来であれば住宅宿泊事業法が成立した6月の通常国会で審議され、同時に成立するはずでした。ところが政局の流れに翻弄され、解散があったことなどから延び延びになっていました。それが12月9日に会期末を迎える特別国会でギリギリに成立したのです。

さすがに国も、違法民泊を野放しにはできないと考え、特別国会という限られた会期の中で、審議を進めたのだと思われます。衆議院の厚生労働委員会を傍聴しましたが、この改正に反対はなく、全会派一致で成立しました。住宅宿泊事業法により民泊が合法化されるだけで、無許可営業を取り締る法律が欠けた状態での見切り発車だけは避けられたことに安堵しています。

とは言え、法律が施行前の民泊については未だ不確定要素がたくさんあります。住宅宿泊事業法とその施行規則で埋めきれていない部分を埋めるために、近くガイドラインが公表されることになっています。当初は11月と言われていましたが、その調整が難航し、年内いっぱい時間を要するものとみられています。このガイドラインの中で条例での区域・日数制限や標識の掲示方法など、これまで先送りされた事項がどのように定められるのか、まだまだ目を離せない状況が続きます。

民泊問題、住宅宿泊事業法など制度の最新情報と民泊最前線を講演します。

投稿日:2017年08月21日

NPO日住協(日本住宅管理組合協議会)が主催するマンション管理大学で民泊問題の最新情報を講演します。NPO日住協は管理組合団体の先駆的組織ですが、今回の講座は「マンションの第三者利用を考える」と題して、今年6月に法制化され、施行を目前に控えた民泊問題やその他シェアハウス問題など、管理組合として取り組むべき対応について講演の予定です。8月27日(日)13時~ 会場は京橋です。

★この講座はどなたでも受講できる公開講座です。直前まで、受付しているようですので、関心のある方はどうぞ。

マンション管理大学申し込み要綱

大規模修繕工事、不適正コンサル問題について

投稿日:2017年08月20日

2017年1月27日、国土交通省住宅局市街地建築課長と土地・建設産業局建設市場整備課長の連名で一本の通知が出されました。それが管理組合の利益に反する不適正コンサルの存在への注意喚起です。それまでも噂には幾度となく上がったものの、半ば業界慣習として見過ごされてきた問題です。国土交通省がこのような通知を出したことは、こうした不適正コンサルの暗躍が目に余るほどになったと言っても過言ではないでしょう。それと前後して、この問題がメディアでも取り上げられるようになり、一気に社会の注目を集めるまでの話題になりました。

管理組合として、施工会社や管理会社に丸投げする「責任施工方式」と比べて、第三者が関与し、設計・監理と施工を分離するいわゆる「設計監理方式」は透明性があり、競争原理が効く理想的な大規模修繕工事の手法と言われてきました。しかしながら、これも、監理者が施工業者を厳しくチェックすることが前提でのものです。それが、できないばかりか、施工業者と「談合」「癒着」までの関係があるコンサルが暗躍跋扈するとなると、管理組合への損失は計り知れません。

これまで何十件と設計事務所選定の支援をしてきた中で、得られた不適正コンサルの特徴、それは設計監理価格が比較的安くプレゼンテーションもお上手、頼りがいがありそう。しかも業界内では大手で、信用があるはずときたら、何も知らない管理組合では、そうした先を選んでしまってもおかしくはありません。ともかく巧妙な進めかたに、多くの管理組合が騙されている事実は明らかです。

ではどうすれば、こうした不適正にコンサルに引っ掛からないか、この見分け方について様々な形で管理組合の皆さんにお伝えしてきましたが、今後も地道に続けていくつもりです。管理組合の一理事長として、また一マンション管理士としてこの問題を取り上げていきます。

国土交通省不適正コンサルについての注意喚起

★不適正コンサル問題について、騙されないためにどうすればよいかのセミナー情報をお知らせします。関心がある方はぜひ、ご参加ください。

第19回プロジェクトアシアス研修セミナーご案内

 

 

 

 

2017年を迎えて

投稿日:2017年01月01日

新年明けましておめでとうございます。

昨年は社会の変化が激しい中で、マンションに関連した“世界”でも大きく変動した1年でした。熊本地震による建物・設備の被災、5年ぶりの標準管理規約改定、外部管理者制度の導入気運、民泊容認に向けた新制度の検討などなど。この流れは今年も続きます。民泊新法が1月に始まる通常国会で審議されようとしています。これまで文字通り「住宅」であったマンションの一室が、ある日からホテル代わりの宿泊施設に認められることになります。一方でマンションの高経年化は一年前より確実に進行します。これまで先送りにしてきた建築、設備改修も「待ったなし」の状態になっていきます。こうしたマンションに関連する環境が一層厳しくなる中で管理組合運営のかじ取りの難しさも増していくでしょう。「難しい、難しい」と、強調し過ぎて役員を引き受ける方が、いなくなってしまっても困るのですが、現実から目を遠ざけることは最早できない状況にあるのです。「今までが大丈夫だったから、まだいいか」では立ち行かなくなるのです。そればかりか、対応を先送りすることで、状況が一層悪化する懸念があります。ならばどうするのか。どうせやらなければならないことならば、覚悟を決めて、『今できることをする』。それしかないのです。

なかなか皆さん、日々の仕事や生活が忙しく、マンションのことをじっくり考える余裕はないかと思いますが、1年の節目の時にマンションの現状を直視し、今できる一歩を踏み出そうではありませんか。こうした管理組合、区分所有者の方を支援する役割が私たちマンション管理士です。「現状の課題解決に取り組んでみよう」と意識を持たれた皆さんのために、少しでもお役にたてる一年になれば幸いです。

皆様のご多幸、ご健勝を心よりお祈り申しあげます。

2017年元旦

バナースペース

マンション管理研究会

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