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神戸マンションでの刺殺事件からの教訓

投稿日:2025年08月28日

神戸のマンション刺殺事件で一躍全国に知れ渡ったこのマンション。名称は伏せるが大手建設会社グループが経営する賃貸マンションで2015年竣工の現在は築10年。居室は1DK、専有面積は35㎡前後で、外見からも、募集案内からも防犯や住居内設備が充実した物件である。地下鉄の最寄り駅から2分、女性でも夜道を心配しないで歩ける距離にある。セキュリティ設備も充実し、「防犯配慮型賃貸」と安全性を前面に出しての募集がなされており、これを見たら安心できるマンションであることを疑う人はないはずである。

今回の事件はセキュリティが充実したマンションの盲点を浮き彫りにした。どんなに優れたオートロック機能があったとしても、オートロック扉を本人が通過後、間髪をおかずに「共連れ」で後から入り込まれてしまっては、セキュリティは一気に崩れる。今までセキュリティ神話を疑うことをしなかった人には衝撃的な事件になったはずだ。

しかしながらこうしたセキュリティマンションであっても、今回のような事件を防ぐことはなかなか難しい。とは言え、居住者にできることはないかと言えば、一つひとつは完全ではないものの、できることもあるはずだ。

①歩行の際はイヤホンは外して周囲の物音に気付けるように行動する。

②エントランスでオートロック通過の際には、後方を振り返って「共連れ」有無を確認する。

③エレベーターに乗る際は、最初の乗り込みであれば、かご内操作盤の前に立ち、後から不審者の乗り込みを確認する。

④不審者(らしき人物)が後から乗り込んできた場合には、思い切って一旦、籠から降りて見送る。

⑤既に見知らぬ人が先にエレベーター待ちをしている場合は、躊躇せずに一旦見送る。

 

次に分譲マンションであれば管理組合としてできる対策がないかとといえば、ある。それは管理員や警備員による「立哨」(立って監視する)ことが何といっても有効だ。ただ人件費高騰の昨今では、一般的なマンションでは費用面でなかなか実現は難しい。またオフィスで見られるように、入退館の都度、カードをタッチする「共連れ検知システム」(タッチしない人が通過するとアラームが鳴る)をマンションエントランスに装備するのは、現時点では時期尚早ともいえる。管理組合としてそこまでの対応はできなかったとしても、次のようなことはできないだろうか。

①後方が確認できるミラーの設置(さまざまなタイプが商品化されている)

②エントランス周りの照度の改善(暗闇に隠れるような空間を解消する)

③居住者へ後方確認を促す、注意喚起書面などの掲示

④エレベーター内への防犯カメラの設置とエレベーターホールへのモニター設置

(今回の事件においては、防犯カメラもモニターも設置されていても防げなかったが、一定の抑止にはなる。)

⑤インターホンシステムの機能強化

(今回のような共用部分での犯罪では有効ではないが、ストーカー行為が見られる場合にはインターホンでの録画機能は違法行為の特定と抑止に有効。管理組合で経年に伴う全面更新の際に検討するとよい)

居住者であっても、管理組合においても、意識しなければならないこと。それはどんなにセキュリティ性能の高いマンションであっても、決して安全ではないということ、まずはこの意識を変え、周囲を注意しながら自分の身を護るということが、今できる最大の防御策ではないだろうか。こんな事件が起きてしまい、人が信じられない悲しい時代になってしまったが、自分の身を護るため、居住者の安全を護るために、今できることから取り組んでみてはいかがだろうか。

 

 


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