マンション大規模修繕工事の談合問題にどう対応すればよいの…?
2025年3月、公正取引委員会が2度に渡って、談合疑いのある工事会社に立入調査に入ったと報じられた。この問題は今に始まったものではなく、長年続けられてきた悪しき業界慣習でもある。そんなことから管理組合の理事会などに行くと、よくこの話題になった。「談合」で管理組合が高い工事費を支払わされ損害を被りたくはないと共通の思いだろう。そんな話の中で、談合被害にあわないためにどうすればよいかと尋ねられる。中には、名前の挙がった工事会社を大規模修繕工事の候補先から外すべきかと真剣に、聞いてくる管理組合もある。お気持ちはよくわかる。しかし、その工事会社だけを除外すればよいか、という単純なものではない。それは前述のとおりこれが、業界慣習的に長年続いてきたからだ。では管理組合は談合に対して諦めなければならないのか。それは否だ。実際に管理組合としてできることがある。それは大規模修繕における談合とは、工事会社だけでできるものでもない。いわゆる「不適切コンサル」という設計事務所などが関与することが多いことを知ってほしい。それ故、設計監理方式を採用する場合の設計事務所選定には①金額だけで選ばない。②プレゼンのよさや資料の立派さに惑わされない。③公募する場合の情報は、管理組合内に留める(申込先は管理組合にする)ことなどだ。どんなに信頼できる設計事務所や管理会社であっても、任せっきりにしないこと、こうした一つひとつの積み重ねが被害を防ぐことになる。なかなかこの問題の根本的な解決は難しいものがあるが、少なくとも管理組合が大規模修繕に直面した時の最低限の注意点である。その時になって、この記事を思い出していただけたら幸いだ。