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最適なマンション管理実現の目指して活動中です! 

マンションでの台風・水害タイムラインについて

投稿日:2020年09月07日

台風10号が九州地方をかすって通り過ぎた。「これまでに経験したことがないような・・・」と最大限の警戒が気象庁から呼びかけられ、進路にあたる地域の方々にとっては気が気でなかっただろう。停電発生や建物に被害はあったものの、犠牲者が少なかったのは奇跡的だ。今回の台風では、「タイムライン」という言葉がテレビや行政からの広報など随所で耳にしたと思う。「タイムライン」とは時系列で対応を整理し、可視化することを言うが、台風や水害を想定した「タイムライン」は、逃げ遅れることがないように、適切な避難することを目的に作られる。これまでの水害をみると、避難が遅れて助かるはずの命が失われた事例は枚挙にいとまがない。ではマンションではというと、マンションの場合、堅牢な鉄筋コンクリート造で洪水に流されることはまずない。また浸水があったとしても、上層階へ避難(「垂直避難」という)することができるので、万一の洪水の場合でも安心だ。一般的なタイムラインは避難方法や避難の時期を意識するために作成するものであることは言うまでもない。これに対して、マンションではマンションに在宅しながら台風を待ち受ける(「在宅避難」という)点で、この「タイムライン」の意味合いが異なってくる。では「在宅避難」が前提のマンションで「タイムライン」は必要ないかというと、そうではない。マンションではマンションごとに構造も設備も異なるため、「在宅避難」するうえでの事前の準備が必要になってくるからだ。

強風がたたきつけるバルコニーにフラワーボックスや物干し竿があるなら飛ばされないように室内へ格納する。はずれそうな網戸があるならば外れないよう対応する。当然と言えば当然のことだが、それができないことが多いのだ。大雨が降り注ぐことになるバルコニーのドレン(排水口)に落ち葉や泥が詰まっていたら、それを取り除く必要がある。さもないとバルコニーに水が溜まり、サッシから室内に浸水することもあり得る。またマンション室内に「籠城」する以上、「兵糧」は不可欠であり、食料や飲料水の備蓄は重要だ。地震に備えて、備蓄を進めている方も多いと思うが、水害時にも同じことがあてはまる。マンション共用部分を管理する管理組合(又は防災会等)であれば、敷地内や共用部分からモノが飛ばされない対策も必要だ。また前述のように居住者が対応すべき点の注意喚起も必要だ。こうした準備は、いざ急にと言われてもなかなかできるものではない。日頃からマンション独自の「タイムライン」を居住者の協力を得ながら作っておくことをお奨めしたい。

★立地するエリアや電気設備・受水槽などの設備が地階にあるなど、マンションによっては浸水対策をする必要がある。ハザードマップでその危険性を認識するとともに、状況によっては止水板の設置なども必要になる。誰がどのタイミングで止水板を設置するのか、管理員がいないときはどうするのか、どのように設置すればよいかなど、マンションの特性を踏まえながら事前に対応することが重要である。

 

新型コロナウイルスの影響に伴い管理費等の支払いができない事例への対応について

投稿日:2020年05月27日

緊急事態宣言が解除されましたが、飲食業や旅行業関係など、顧客が戻らず、雇用情勢が厳しい環境下において、給与が減るもしくは職を失い、収入に行き詰まるケースも出ています。これに対して行政からは様々な支援制度が打ち出され、賃貸住宅であれば、自治体が家賃自体を助成する制度(住居確保給付金制度)もありますが、残念ながらマンションの「管理費」が支払いできない事態を支援する制度はありません。

管理費の支払いができなくなる(いわゆる「滞納」)状態にあるということは、管理費以外にも住宅ローンや税金、公共料金などでの支払いの行き詰まりも推察できます。こうした中での管理組合の対応について説明します。

区分所有法では共用部分の管理に要する費用(管理費)の支払いが義務化されており、管理組合はその債権に先取特権という権利が認められています。また標準管理規約では管理費に加え、修繕積立金(これらを合わせて「管理費等」という)を管理組合に納入しなければならないことが規定されています。つまり、生活が苦しいからと言って、「管理費等」を払わないでよいことにはなりません。

これらを踏まえた管理組合の対応ですが、

①管理費等の「滞納」があれば督促を行う。(誰が生活困窮者か管理組合ではわかりません。)

②管理費等の「滞納」に関して支払いできない事情や支払い猶予の要請が滞納者からあれば、管理組合(理事会)としてその事情を確認し、いつまで返済猶予を認めるかについて当事者と協議のうえ、理事会で判断を決定する。

③さらなる経済的な困窮事情等から、「管理費等」が払えずに、競売や任意売却により、住宅を手放す場合には、後から所有した区分所有者に対して、「管理費等」の未納分を請求する。

区分所有法では管理組合は次の所有者に「管理費等」との債権を請求することを認めているため、コロナウイルスだから特別の扱いをしなければならないということはありません。

ただ、誰が悪いわけでもない今回のコロナ禍の被害者でもある、支払いに困窮する方々とは今の事情について相談にのり、今後の返済方法など管理組合(理事会)としてできる範囲で、対応していくことになるでしょう。

オンライン理事会のすゝめ ~新型コロナウィルスへの管理組合対応~

投稿日:2020年05月05日

緊急事態宣言が5月末日まで延長されることになった。管理組合にとって5月は総会開催シーズンであり、緊急事態宣言下で総会開催の可否を決める悩ましい判断に迫られている管理組合も多いことだろう。

現在の緊急事態宣言が発令された状況の中で、総会を開催しない(延期)場合にどのような影響があるのかを考えよう。
①予算執行の観点
②管理委託契約更新の観点
③現役員の役職継続の観点

まず①の予算執行については標準管理規約では「会計年度開始後、承認されるまでの間に『経常的で、止むを得ない』場合は理事会の承認で支出できる。」とされているので、予算外の工事などを除き日常の支出に関しては特段問題ない。
次に②管理委託契約更新は、組合員の「安全・安心のための止むを得ない」対応であることから理事会決議により、現在の契約と同一条件で「暫定契約」することで、管理に隙間ができることを回避できる。これは管理会社の団体「マンション管理業協会」の見解でもある。
さらに③は、総会が開催できず、新役員が総会で選任されない場合は、現在の役員がそのまま役職を継続することになる。この辺りは一度総会を延期した場合に、次にいつ総会が開催できるか不透明な中で、いつまでも引継ぎができないことになりかねず、その判断が難しいところである。

こうした管理組合として重大な判断をするにしても、問題は緊急事態宣言下での理事会開催の是非である。「対面」での会議は避けることが求められるなかで、どのように理事会を開催するか難しいところである。少し補足すると東京都の「緊急事態措置等」では、共同住宅は「社会生活を維持するうえで必要な施設」とされているが、「適切な感染防止対策」することが明記され、具体的な防止策として「密集する会議の中止(対面による会議を避け、電話会議やビデオ会議を利用)」と求められている。ここまで明文化された中での、対面による理事会への出席には、抵抗がある役員や組合員も出てくるだろう。
一方でメールによる理事会開催を考えている組合もあるだろう。しかし、標準管理規約では。予め電磁的方法を定めている組合を除き、メールでの重要な判断は認められていない。緊急事態だからという言い訳はあるものの、メールではどうしても一方通行となりがちで、理事が意見をもって協議することが難しくなる。ましてや総会に関わる重大な判断が求められる理事会だから慎重に臨みたい。

そこで緊急事態宣言下で提案したいのは、オンライン方式による理事会の開催である。オンライン方式であれば、画面を見ながらタイムリーに意見を出し合い、対面と変わりなく審議できることは明らかだ。また管理規約で「電磁的方式」の規定がなかったとしても、外出自粛が社会的に求められている中で、組合員(役員)の「安全・安心のため」であれば、オンライン理事会とすることは理にかなうことになろう。
現在、ビデオ通話会議システムは企業のテレワークの普及とともに拡大しており、無償で使えるシステムも、LINE、Skype、ZOOMなど様々である。これらを活用するなど工夫して対面によらずに理事会を開催することを推奨したい。
オンラインによる理事会を実施するうえでの条件は、参加者がスマホか、パソコンか、タブレットを所有しWiFi環境にあることが必須である。これについては既にスマホの普及率が50代以下で9割、60代でも7割、70代で5割(総務省情報通信白書平成30年)と言った現状を考えると、決して実現できないことではないだろう。むしろ、今までやったことがないので、尻込みする役員もいることから、操作方法など積極的に支援することも重要となる。
では管理会社はこのオンライン理事会をどう考えるかというと、決して積極的とは言えない。安易に総会を先送りする傾向にあるように思えてならない。緊急事態宣言の出口が見えない中で、加えて専門家会議が最近になって打ち出した「新しい生活様式」の中でも、対面での会議は避け、オンラインを活用する指針が出されている以上、管理組合においてもこの問題をいつまでも、先送り放置するわけにはいかないだろう。こうした状況も踏まえ、理事会をいつでも対面によらず実施できる体制を準備しておくことは有効であり、これからの「新しい生活様式」の中で必要なことだと考える。

★従来の常識が通用しなくなる「新しい生活」に不安はあるが、管理組合も柔軟に対応しなければならないと考えさせられる。

緊迫する「緊急事態宣言」下での管理組合対応

投稿日:2020年04月13日

4月7日に緊急事態宣言が発出されて1週間が経過する。その後、10日には東京都から「新型コロナウィルス感染拡大防止のための緊急事態措置等」(以下「緊急事態措置」と略す)が発出された。理美容や居酒屋、ホームセンターなどの扱いが注目されたが、管理組合に関する重大な情報が「緊急事態措置」に含まれているので紹介する。

まず、マンションは「共同住宅」として病院やスーパーのように「社会生活を維持するうえで必要な施設」と位置付けられ、緊急事態宣言の期間中も継続することになった。これを受け、多くの管理会社において交通機関が止まらない現状では、管理員や清掃員のゴミ出しなど最低限の業務は継続されるようになっている。

そのうえで、5月は多くの管理組合が総会を開催する時期となることから、4月は決算理事会を迎える理事会も多い。ここでの悩みは、総会を開催するか、延期するかという点である。緊急事態宣言が予定通り5月6日に解除されるとしたならば、それ以降の5月の総会は開催可能となるが、宣言が解除されずに延長になったらどうなるのだろうか。これは誰にも分らないことである。

こうした状況の中での考え方を整理するために、総会を開催しない場合にどのような影響があるのかを考えよう。

①予算執行の観点

②管理委託契約更新の観点

③現役員の役職継続の観点

まず①の予算執行については標準管理規約では「会計年度開始後、承認されるまでの間に『経常的で、止むを得ない』場合は理事会の承認で支出できる。」とされているので、予算外の工事などを除き日常の支出に関しては特段問題ない。

②管理委託契約更新は以前もこのコラムでお伝えした通り、組合員の「安全・安心のための止むを得ない」対応であることから理事会決議により、現在の契約と同一条件で「暫定契約」することで、管理の隙間を回避することができる。

③総会が開催できず、新役員が総会で選任されない場合は、現在の役員がそのまま役職を継続することになる。この辺りは一度延期した場合に、次にいつ総会が開催できるか不透明な中で、いつまでも引継ぎができないことになるなど延期の判断が難しいところである。

総会の延期を判断するにしても、予定通り開催するにしても、問題は緊急事態宣言下での理事会の開催である。理事会は理事会でも、年度末の「決算理事会」を開催しないで通常総会を開催することはあり得ない。そこで問題になるのが「緊急事態宣言」の中で、どのように理事会を開催するかである。東京都の「緊急事態措置」では上述の通り、共同住宅は「社会生活を維持するうえで必要な施設」とされているが、「適切な感染防止対策」することが明記され、具体的な防止策として「密集する会議の中止(対面による会議を避け、電話会議やビデオ会議を利用)」と求められている。ここまで明文化された中での、対面による理事会には、抵抗がある役員や組合員も出てくるだろう。

メールによる理事会を考えられる組合もあるだろうが、標準管理規約では認められていない。緊急事態だからという言い訳はあるものの、メールではどうしても一方通行となりがちで、理事が意見をもって協議することが難しくなる。ましてや年度末の決算理事会だから慎重に臨みたい。

そこで緊急事態宣言下において提案したいのは、ビデオ通話による理事会の開催だ。ビデオ通話であれば、タイムリーに意見を出し合い、対面と変わりなく審議できることは明らかだ。現在、ビデオ通話会議システムはテレワークの拡大とともに様々な方式があるが、無償で使えるシステムでは、LINE、Skype、ZOOMなどがある。これらを使うなど工夫して対面によらずに理事会を試行することを推奨したい。規約でビデオ通話での理事会を想定した管理組合はほとんどないと思われるが、まさに緊急事態において、役員や組合員の安全・安心のための対応であることに反対はないだろう。

ビデオ通話による会議を実施するうえでの条件は参加者がスマホか、パソコンか、タブレットを所有しWiFi環境にあることが必須である。これについては既にスマホの普及率が50代以下で9割、60代で7割、70代でも5割(総務省情報通信白書平成30年)と言った現状を考えると、実現できないことではないだろう。むしろ、今までやったことがないので、しり込みする役員もいることから、操作方法など積極的に支援することも重要となる。

いつまで続くか先行きが不透明な環境において、理事会をいつでも対面によらずに開催できる体制を準備しておくことは有効であると考える。

新型コロナウイルス「緊急事態宣言」への管理組合対応

投稿日:2020年04月09日

拡大がとまらない新型コロナウイルスに対して、ついに「緊急事態宣言」が出される新たな事態に直面するようになった。
この事態に管理組合はどう対応すればよいかについて考えよう。
ご承知の通り、この「緊急事態宣言」は、法律に基づき、東京都知事からの要請であり、感染拡大防止にできる限り、協力することが求められている。
マンションの場合はというと、東京都が4月6日に発表した営業継続を要請する対象業種の一つに「共同住宅」が含まれている。「外出を控えて、家にいる」ことが求められる状況では当然のことだが、共同住宅の維持管理は、社会インフラであってこれを継続する必要があることが、ここに示されている。
これに対する管理会社の対応は各社によって若干異なるようだが、おおむね管理員の出勤が可能であれば、最低限の管理は継続するというスタンスのようである。しかし、これは管理員が出勤できる場合であり、出勤ができなくなる最悪の事態も想定される。考えたくはないが、こうした事態になった場合には、ゴミ出しなど最低限のことは管理組合で自主的に対応することになる。ただ、この状態は未来永劫、続くわけではない。あくまで一時的な対応であることを理解していくことがポイントだ。
そのほか、消防設備点検や雑排水管清掃など室内に作業員の入室を伴う場合、これらは建物を維持するうえで必要な対応ではあるが、居住者の感染への「不安」回避のため、一時的に延期し、事態の収束が見えてから実施するという判断もあるだろう。
まだまだ先行きが見えない中で、不安はぬぐえないが、今回の感染拡大とそれに伴う「緊急事態宣言」は一種の「災害」と言える。つまり、大地震などの災害時と同様に「在宅避難」するということである。今回は居住者と管理組合の工夫と協力によって、この事態を乗り切っていくしかないようだ。

★営業の継続要請する業種については東京都から4月10日に正式に発表されることになっている。刻一刻と状況が変化するため、管理組合としても、今後、発出される情報に注視する必要がある。

パンデミックにマンション管理組合ができること

投稿日:2020年03月18日

新型コロナウィルスによる感染拡大が止まらない。世界中で猛威を奮う“パンデミック”への対応は連日報道されているが、集合住宅“マンション”で何をすればよいかを考えたい。

感染拡大防止は「手洗い・アルコール消毒」と「マスク着用」と言われ、もはや常識化している。
また感染拡大の三要素は、「人の密集」「密閉した空間」「近距離での発声・会話」と言われているが、感染拡大防止にはいかにこれらを低減するかということになる。企業ではいち早く、時差出勤やテレワークの推進などの取り組みが広く見られたが、マンション(管理組合)での対応となると、あまり対応が進んでいないのではないかと感じる。

仕事のように収入に直結するわけではなく、学校一斉休校のように日常生活に影響するわけではなく、マンションではどことなく対応が二の次になっていないだろうか。多くの人が「集まって住む」特性があるマンションだからこそやるべきこと、やっておくとよいことをお伝えしたい。

管理組合は主に共用部分の管理を担っている。したがって共用部分での対応が基本となるが、大きく分けてマンションでの対応は次の3点である。
(1)日常管理での対応
(2)理事会・総会運営での対応
(3)感染が発生した場合の対応

(1)日常管理での対応
共用部分と言えば、エントランスやエレベータなど。多くの人が接触することになるので、調達が可能であればエントランスなどにアルコール消毒薬を設置すると居住者の安心は高まるだろう。
ドアの取っ手など多くの居住者が接触する部分を定期的にアルコール消毒することも考えられるが、通常の「管理委託契約」の仕様にはそこまで含まれないため、管理会社との協議が必要になる。また、管理上、日常点検も欠かせない業務だが、点検作業員など外部から人が入ることになるので、入館の際にアルコール消毒をする方法もあるだろう。特に消防設備点検や雑排水管清掃など、専有部分の中に作業員が立ち入る必要がある場合には、作業員のマスク着用や入室時のアルコール消毒など、目に見える形で対応すると安心だ。
管理組合によっては、集会室やゲストルーム、中にはラウンジ、プール、ジム、温泉などの共用施設を有するマンションもある。こうした共用施設で、感染拡大防止三要素に該当する箇所を一時的に利用停止にする方法もある。

(2)理事会、総会運営での対応
①理事会運営
管理組合を運営するために理事会運営は欠かせない。それゆえ、理事会開催の際は会場の換気励行や出席者のマスク着用などの予防手段がある。さらに理事会が長時間化しないように、終了時刻を定め、時間内で終わらせるようにする。懸案事項の審議を優先し、終了時間が押す場合には報告事項は書面報告とすることにより、会議の時間は短縮できる。
標準管理規約(54条)では専有部分の修繕や窓ガラス等の改良工事での「メール決議」を認めているが、これを「災害時等」まで拡大することで機動的な理事会運営ができることになろう。

②総会運営
理事会運営と同様、換気励行、マスク着用の徹底などが基本となる。ほかにも間隔を空けた椅子の配置、総会出席者のためのアルコール消毒薬を設置する配慮などある。それでも人が集まる議場に出席することに抵抗感がある方には、「書面又は代理人」による決議が可能であること(標準管理規約46条4項)を知らせ、議場に出席しない行使を提案する方法もある。この場合、「事前質問書」などで疑問点を表明できる配慮があると、よりていねいな対応となろう。
既に一部自治体では公的会議室の貸出停止により、会場が確保できない事態が発生している。また人数を集めた総会開催がままならない場合なども想定される。この場合は、総会は開催するが出席するのは理事が中心となり、いわば「無観客試合」のようなイレギュラーな運用もあり得るだろう。但し、この場合において、あくまでも「議場出席」を希望する組合員には、それを認める配慮は必要だ。
区分所有法(45条)では「書面又は電磁的方法による決議」を認めているが、その前提は「全員の承諾」であり、現実的ではない。それゆえ、上記での総会開催手法を提案する次第である。
それでも総会開催が困難な場合には、最後の手段としての延期はあり得る。規約で通常総会を「会計年度開始以後『2か月』以内に招集」しなければならない条項に反するが、感染拡大防止という社会的要請を受けた環境下においては、許容されるものと考える。そこで問題になるのが、契約終了期日が近づいた「管理委託契約の更新」だが、マンション管理業協会では、「居住者等の安全や心情」を考慮し、理事会決議での「暫定契約」とし、後日事態鎮静後の重要事項説明会開催を示している。これはあくまでも「管理会社」の擁護のためのガイドラインだが、管理組合としても参考になる。延期の場合、銀行での口座開設(代表者変更)や補助金申請の際に影響を受けることがあるので注意が必要だ。

(3)感染発生時の対応
感染予防に努めたにもかかわらず、マンション内で感染が発生する可能性も否定できない。その場合、管理組合としては保健所の指示に従い、消毒など協力することになる。「自宅待機要請」の場合、イタリアでのメンタル面のケアなど参考になる。また中国や香港などでは「マンション封鎖」が発生し、日本でも今後もないとは断定できないが、その対応については今回の、提案とは切り分け、別の機会としたい。

★マンションに深く関わる者として、今回の騒動の早期終息を強く願うばかりだ。

民泊合法化と標準管理規約(民泊禁止)改正案を受けて思うこと

投稿日:2017年08月18日

本年6月の通常国会で新たに住宅宿泊事業法が成立し、民泊が合法化されました。これを受け、標準管理規約改正案が6月19日に公開され、パブリックコメントを経て、現在、標準管理規約改正案の公開を待つ状態です。昨年3月に標準管理規約が改正され、まだ日が浅い中で、今回改正されようとしているのは「住宅宿泊事業法」による民泊合法化にほかなりません。今、管理組合は民泊への対応が求められるようになっています。

1.改正の背景

民泊合法化への流れについては既に報道の通りで、ご存知の方も多いことでしょう。海外からの旅行者の増加とホテル不足の現状、2020年東京オリンピックに向けて更なる渡航者増と宿泊施設不足が顕著になることが予測されています。こうした社会の変化を受け、住宅を宿泊施設として活用することが決まったのです。住宅宿泊事業法は、国内外の旅行者の宿泊先確保が制定の主な理由です。しかしながら民泊には、騒音やゴミ出しマナーだけでなく、短期利用者が入れ替わり出入りする問題がつきまといます。お隣にどのような人が宿泊するかわからないと言った不審感や居住者との様々なトラブルが想定されます。こうした懸念から法律が審議される過程においてマンション管理組合で民泊を認めるか、認めないかについて管理規約で規定することが望ましいとされました。これを受け、国土交通省は今回の改正案を示すことになったのです。

2.改正される規約内容とは

パブリックコメントで公表された標準管理規約改正案では民泊を禁止する場合として「区分所有者はその専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」の規定に第2項として「区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。」と追加されました。案の段階とは言え、ようやく禁止規約が公開されたことで、やれやれと思われた方もいるかと思いますが、ちょっと待ってください。本当にこれで十分でしょうか・・・? 短期の宿泊用途で貸し出す民泊には、前述の住宅宿泊事業法で新たに規定されたものだけではありません。この他に旅館業法「簡易宿所」としての民泊、東京都大田区のように国家戦略特区報に基づく「特区民泊」がありますが、こうした民泊は民泊規制の中で考えればよいのでしょうか。民泊利用者は法律や制度によってお行儀の良しあしがあるわけではありません。利用者からみれば宿泊先としてどれも同じです。つまり禁止するならば全ての民泊を禁止しなければ規制する実効性は弱いと言わざるを得ません。こうした点を踏まえ、全ての民泊を禁止する場合の規約としては、第2項に「区分所有者はその専有部分で宿泊料を受けて人を宿泊させる用途に供してはならない。」と加えることで網羅的に民泊類似行為を禁止できることになります。実はこのことは標準管理規約改正案の「コメント」には記載されているのですが、なぜか本文では住宅宿泊事業法による民泊のみを規定しているのです。様々なタイプの民泊があることを知ったうえで、国土交通省がこの不十分な規約を最終的に改正案として決定するならば何か恣意的なものがあるのではないかと穿ってしまいます。

3.管理組合としてなすべきこと

合法化された結果、年間180日を超えないという制限は設けられるものの、簡単な届出により、マンション内で民泊が営めることになります。現時点で制度運用方法を定める厚生労働省令や国土交通省令、また施行日については未定ですが、早ければ2018年1月にも開始される可能性があります。合法化により、今後大きな広がりが想定される民泊を禁止するためには今から管理規約で明確に禁止を定めておくことがトラブル防止のため有効です。

4.まとめ

民泊が合法化され、施行へのカウントダウンが迫る中で管理組合内に不安もあるかと思います。まもなく(8月中に)標準管理規約決定版が公開される予定です。国土交通省案では不十分な点については、パブリックコメントに私個人の意見として提出しましたが、どこまで考慮、検討されるでしょうか。どのような標準管理規約が出されようが、民泊禁止の本質を貫くよう規約を改正するべきであることは言うまでもありません。

★民泊を禁止するための規約改定や民泊トラブルへの対応についてなど、ご不明な点がありましたら、ご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

マンションと台風・大雨災害

投稿日:2014年10月11日

台風やゲリラ豪雨など最近の身近な話題になっていますが、マンションは水害に強いと思っているとそれは大きな間違いです。居住する部屋が上層階であっても、マンションの出入り口は1階にあるのが一般的です。もし近隣の川が溢れたらどうなるのか。まずエレベータ。エレベータ機械室が1階や地階に設置されることがよくあります。ここが浸水したらエレベータは動きません。電気を制御する電気室(電力会社が使用)も1階に設置されることが多く、水没により全ての電源が失われます。また受水槽方式のマンションでは水道本管からの水を貯める受水槽が1階または地階に設置されることが多くあります。もし浸水があれば水が使えなくなります。併設のポンプも使えなくなります。機械式駐車場の地下ピットも不安材料として考えなければなりません。よほどの排水ポンプがなければクルマはおしまいです。他にも非常用設備が集約される管理員室、インターネット等の回線、MDF設備など水の災害に影響される設備が1階部分にはたくさんあります。このようにマンションと水は切っても切れない関係です。

ではどのような対策をとればよいでしょうか。
よく水害時に“土のう”が登場しますが、あればあるにこしたことはないのですが、災害に直面しない限りさほど使用頻度はなく、置き場所も必要なことから、常備されているマンションは少ないと思います。そんなマンションのために、水に浸すと膨らむタイプの土のうが商品化されています。「水ピタ」(クリアシステム株式会社)などいくつかの種類があるようです。また緊急の場合には大型ゴミ袋を二重三重にして水を入れ口を括るだけでも簡易的な“水のう”になります。その他ブルーシートやレジャーシートがあれば、プランターや水を張ったポリタンク並べてブルーシート等で包むだけでも、即効の簡易“水のう”にすることができます。緊急時に備えて最低限の準備ができているにこしたことはありませんね。

「うちのマンションの近くに川がない」からと安心はできません。水は低地に流れるため思わぬエリアで床下、床上浸水につながるのです。また近年はゲリラ豪雨によりマンホールの容量を超え逆流することがあります。こうした水害の発生可能性を知るには区市町村で発行している「ハザードマップ」をチェックすることが有効です。マンションの立地点での水の被害が一目瞭然にわかります。ハザードマップは各行政の窓口はじめインターネットでも公開されています。

★マンションでの水害対策と言っても日頃から準備していないとなかなか対応は難しいものです。地震対策と併せて水害に対するマンションとしての備えは大切です。この機会に水害発生の場合にどんな対応をとればよいのかを考え、備蓄するとともにマニュアル化するなど、できるところから取り組んでいきましょう。

管理会社を名乗る詐欺事件の発生にご用心!

投稿日:2013年09月16日

マンションの区分所有者者あてに実際に管理する大手管理会社の社員を名乗る人物から詐欺とみられる電話が続出している模様です。電話の内容は、実際に大規模修繕終了直後で、「発注金額をオーバーしたので追加費用を支払ってほしい」などと言うもの。大規模修繕工事の発注は区分所有者ではなく、管理組合になるため、このような追加工事が区分所有者に直接架かることは通常ないため、気を付けていれば不審に思えるものですが、言葉巧みな電話口で油断は禁物です。振り込め詐欺がひと段落してきたと思ったところ、このような新手の詐欺が、しかもマンション管理に関するネタから発生したのは驚きです。それも実際に大規模修繕工事修了直後に電話してくるなど手の込んだ手口には呆れます。管理業界団体や管理会社では、こうした不審な電話への注意を呼びかけています。

★世知辛い世の中です。今のところ被害が発生していないのが救いですが、不審な電話があった場合には管理会社に確認するか警察へ通報するなど気を付けなくてはいけないですね。

修繕積立金の予備費計上の可否について

投稿日:2013年07月19日

修繕積立金を予備費としてあらかじめ予算に計上するケースがあります。これは必要になった都度、総会決議とする煩わしさを回避するためと考えられますが、これについてどの様に考えればよいでしょうか。修繕積立金は標準管理規約によれば、「一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕」のため、取り崩しには総会決議が必要となります。例外的に大規模修繕実施の際に、予備的に予算計上することはありますが、これはあくまでもあらかじめ予定される工事に付随するものです。この様な観点からすると修繕積立金の予備費計上は望ましくないということになります。期の途中で「不測の事故や特別の事由」により、大きな金額の工事など必要とする場合には理事会決議ではなく、臨時総会を開催しての取り崩し決議が望ましいと言えます。もし少額の予備的対応で、理事会の機動的運営を目的とするのであれば、管理費会計で「小修繕」としてまたは「予備費」として計上するのがよいでしょう。

★修繕積立金は、将来に備えた貯金であり、安易に手を付けないためにも、少し厳格な運営がよいということになります。

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マンション管理研究会

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