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マンションでの台風・水害タイムラインについて

投稿日:2020年09月07日

台風10号が九州地方をかすって通り過ぎた。「これまでに経験したことがないような・・・」と最大限の警戒が気象庁から呼びかけられ、進路にあたる地域の方々にとっては気が気でなかっただろう。停電発生や建物に被害はあったものの、犠牲者が少なかったのは奇跡的だ。今回の台風では、「タイムライン」という言葉がテレビや行政からの広報など随所で耳にしたと思う。「タイムライン」とは時系列で対応を整理し、可視化することを言うが、台風や水害を想定した「タイムライン」は、逃げ遅れることがないように、適切な避難することを目的に作られる。これまでの水害をみると、避難が遅れて助かるはずの命が失われた事例は枚挙にいとまがない。ではマンションではというと、マンションの場合、堅牢な鉄筋コンクリート造で洪水に流されることはまずない。また浸水があったとしても、上層階へ避難(「垂直避難」という)することができるので、万一の洪水の場合でも安心だ。一般的なタイムラインは避難方法や避難の時期を意識するために作成するものであることは言うまでもない。これに対して、マンションではマンションに在宅しながら台風を待ち受ける(「在宅避難」という)点で、この「タイムライン」の意味合いが異なってくる。では「在宅避難」が前提のマンションで「タイムライン」は必要ないかというと、そうではない。マンションではマンションごとに構造も設備も異なるため、「在宅避難」するうえでの事前の準備が必要になってくるからだ。

強風がたたきつけるバルコニーにフラワーボックスや物干し竿があるなら飛ばされないように室内へ格納する。はずれそうな網戸があるならば外れないよう対応する。当然と言えば当然のことだが、それができないことが多いのだ。大雨が降り注ぐことになるバルコニーのドレン(排水口)に落ち葉や泥が詰まっていたら、それを取り除く必要がある。さもないとバルコニーに水が溜まり、サッシから室内に浸水することもあり得る。またマンション室内に「籠城」する以上、「兵糧」は不可欠であり、食料や飲料水の備蓄は重要だ。地震に備えて、備蓄を進めている方も多いと思うが、水害時にも同じことがあてはまる。マンション共用部分を管理する管理組合(又は防災会等)であれば、敷地内や共用部分からモノが飛ばされない対策も必要だ。また前述のように居住者が対応すべき点の注意喚起も必要だ。こうした準備は、いざ急にと言われてもなかなかできるものではない。日頃からマンション独自の「タイムライン」を居住者の協力を得ながら作っておくことをお奨めしたい。

★立地するエリアや電気設備・受水槽などの設備が地階にあるなど、マンションによっては浸水対策をする必要がある。ハザードマップでその危険性を認識するとともに、状況によっては止水板の設置なども必要になる。誰がどのタイミングで止水板を設置するのか、管理員がいないときはどうするのか、どのように設置すればよいかなど、マンションの特性を踏まえながら事前に対応することが重要である。

 


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